匠のサッカー(仮)

走りがサッカーの質を変える

走りの上下動がゼロになったら体力的にどれぐらいオトクなのか?

走りの上下動がゼロになったら体力的にどれぐらいオトクなのか?

 

 

前回の記事( ↓↓↓ )、の最後の方で書いた

 

takumisoccer.hatenablog.com

上下動のロスをなくすことで、速くて疲れにくくてボールコントロールしやすい(サッカーにとって効率が良い)走りができる。

 のところなんですけど、ボールの扱いは置いといて、スタミナやスピード的にはどのぐらいオトクなの?ってところを書いていきたいと思います。

 

論文や実験データを参考にしていくので、競技中とは状況が異なります。ですのでプラスになるのかマイナスになるのか?ぐらいで捉えておいた方がいいかもしれません。

 

1.論文(Gravity-driven horizontal locomotion: theory and experiment|重力駆動水平移動:理論と実験)より

rspa.royalsocietypublishing.org

という英語の論文です。

実験内容ざっくり

トレッドミル(ランニングマシン)を使った実験で、トレッドミル上で①普通に走る②上から吊るして走る、の2つを比べて酸素消費量を比較した実験です。

結果

②上から吊るして走った方の 酸素消費量が10%減った そうです。(計測値は16~21%。歩行も含めているので差が出たっぽい)

余談ですが上下動なしで走った被験者の方の感想は「飛んでるみたいだ!」でした。

 

で、酸素消費量が10%減るってどのぐらいオトクなの?

という疑問が生まれたので調べたり計算したり、してみたいと思います。

 

2.サッカーじゃなくマラソンですけど最大酸素摂取量(VO2Max)で比較してみる

f:id:miurak98:20180922201909p:plain

参考:最大酸素摂取量とマラソンの予想タイム

 

VO2Max酸素消費量が10%減るので、減った分上乗せしたと仮定して比較します。 

※VO2Maxの単位は [ ml/kg/分 ] ですが省略します。あと計算も省略。

 ①VO2Max83と76とで3km走った時の時間を比べてみる(9.2%UP)
  • 83 →    8分(3km) = 22.5km/h  
  • 76 → 8分45秒(3km) = 20.6km/h

3km走ると45秒の差になる。スピードの差は1.9km/h。

②VO2Max67と61とで3km走った時の時間を比べてみる(9.8%UP)
  • 67→ 10分(3km) = 18.0km/h  
  • 61→ 11分(3km) = 16.4km/h 

3km走ると1分の差になる。スピードの差は1.6km/h。

 

同じスタミナ消費で10%速い!…か、10%長い距離を走れる!

ちなみに数週間かけたコンディション調整では、パフォーマンスの上昇度が6~8%と言われています。そう考えるとめっちゃオトクですね。

考え方が間違っていたらご指摘ください。

ご指摘いただけるなら正しい考えもご教示お願いします。。。

 

3.国内一流サッカー選手の最大酸素摂取量をマラソンの最大酸素摂取量に置き換えて比べてみる

f:id:miurak98:20180923150748p:plain

J - STAGE|国内一流サッカー選手の最大酸素摂取量

◆国内一流サッカー選手の最大酸素摂取量がそれぞれ10%上がった時の比較。

最大酸素摂取量とマラソンの予想タイム にの表にある数値で比較するので
端数は四捨五入したり切り捨てたりします。

 

16~18歳 でのVO2Max 61.6 → 10分45秒

 10%上がったらVO2Max 68  → 9分45秒

19~22歳 でのVO2Max 58.9 → 11分15秒

 10%上がったらVO2Max 65  → 10分15秒

23~25歳 でのVO2Max 55.0 → 12分

 10%上がったらVO2Max 61  → 11分

26~30歳 でのVO2Max 53.1 → 12分30秒

 10%上がったらVO2Max 58  → 11分30分

➤すべての年代で3km走った時に1分ずつオトクになる。

f:id:miurak98:20180923151140p:plain

グラフの抜粋:J - STAGE|国内一流サッカー選手の最大酸素摂取量 より

 

ここで面白いのは、16~18歳をピークに VO2Max が下がり続けることなんですが、

VO2Max が10%上がることで7~8歳年齢が下で上下動を減らさない年代とほぼ同じのVO2Max になることです。ああ、表現 が 難しい。

分かりやすく言うと、

オッサンと呼ばれる年代でも、走りの技術次第でハタチかそこい

らの若者と体力で渡り合える(かも)

ってことです。(サッカー選手の引退年齢って平均すると25~26歳と言われていますので、20代中頃だとけっこうオッサン扱いされます。)

 

これをもっと分かりやすく言いますと、

30歳と22歳が同じぐらい走れる可能性がある

ってことです。 いやあ、夢がありますね。

 

まとめ

  1. 酸素消費量が10%減ることでスタミナは10%増える(だいたい逆数)
  2. 酸素消費量が10%減ったら30歳が22歳と同じぐらい走れる可能性がある
  3. 選手寿命を延ばすなら、走り方を見直したほうが良い
  4. (身体の負担が減るなら、ケガのリスクも減るかも…?)

ということで、走りの上下動を減らすのはすんごいメリットがありそうです。

 

では、また。